小学校教員・田中まさおと申します

埼玉県で小学校教員をしております、田中まさお(仮名)と申します。

これまで38年間、6つの学校で勤務してきました。平成31年末には定年退職となりました。(令和4年度現在も再任用として勤務は継続しています)

定年退職を前に、これまで自分が経験してきた不合理なことを次世代を担う若い人たちに引き継いではいけないと思い、2018年9月、長時間労働是正のため訴訟を起こしました。

教員の置かれている労働環境

厚生労働省が公表した2018年版の過労死等防止対策白書によると、全国の小中高で働く教職員の1日の平均勤務時間は全体で11時間を超えるとされています。

また、文部科学省が公表している人事行政状況調査によると、うつなどの精神疾患で休職した公立学校の教員数は全国で五千人前後で高止まりする状況が続いています。

過労死にいたっては、文部科学省が把握しているだけでも2006年からの10年間で63人もの学校教員が命を落としています。

人材不足も深刻です。代替教員が見つからない学校も出てきているようです。全国各地の教員採用試験の倍率低下も止まりません。

長時間労働に歯止めを

私は裁判を通じて、壊れつつある教育現場の実態を広く多くの方に知っていただきたいと考えています。

これまでの教員生活で、体を壊し心も病んで辞めていくたくさんの同僚を見てきました。仕事を優先し、出産を諦めた女性教員もいました。

いわば働かせ放題の現状が、教員に子育てさえ許さないような悪夢を生んだのです。いくら働かせても残業代を出さなくてもいいシステムなら、仕事が増えていくのは当たり前です。

私は今、どうにかして自分たちの世代で長時間労働に歯止めをかけなければならないという使命感に突き動かされています。

そして、教員をはじめ一人でも多くの国民にこの問題について、ともに考えてほしいと願っております。

裁判の経緯と予定

2018年9月 埼玉県教育委員会を相手に起訴
2018年12月~ さいたま地裁で審理開始
2021年10月 一審敗訴判決
2021年11月 上告
2022年3月~ 東京高裁で審理開始
2022年8月 二審敗訴判決、上告予定

詳細について

本ホームページでは、当方の裁判書面、埼玉県教育委員会による答弁書、専門家の先生による意見書などその都度公開しております。

また、裁判を進めるにあたり私が感じたことを書き連ねています。お読みいただけたら幸いです。

裁判資料

鑑定意見書

判決文全文

田中まさおの考え

twitter@trialsaitama

私の裁判は労働組合や政治団体などの後ろ盾がありません。私ひとりで始めた裁判です。

しかし、これまで弁護士をはじめ専門家の先生、マスコミの皆様、継続して注目し続けてくださる方々など、多くの方の支援により、今ではひとりではありません。

引き続き、皆様の支援をお願いいたします。

2022年9月2日 埼玉県超勤訴訟 田中まさお