日頃より皆様のご支援・応援に感謝申し上げます。
先日、2021年(令和3年)10月1日に、2018年9月にさいたま地裁に提訴した超勤訴訟の地裁判決が出されました。判決につきましては、一部過去の裁判では労働として認められなかった仕事について労働と認められた部分があったものの、全体を通じては『敗訴』という結果になりました。私自身の力不足を痛感しております。
私は裁判を通じて、毎日3時間を超える無賃の時間外労働を強いられている現状のなかで、労働基準法32条(8時間を超える労働をさせてはならないという法律)違反を訴えてきました。しかし、地裁判決は過去の教員裁判同様、「拘束するような形でなければ許される」という判決でした。原告としては、到底容認できるものではなく、控訴の手続きを行いました。
今回の判決を振り返り、所見を述べさせて頂きます。
現在の教育現場の実情を鑑みると、給特法の制定根拠とされていた、教員が自主的・自発的に業務に従事するという「職務の特殊性」、長期の休業期間があるという「勤務形態の特殊性」は、ほとんど存在しなくなったと考えております。そのため、教員の自主的で自律的な判断に基づく業務のために厳密な労働時間管理ができないなどとする理由は全く受け入れられません。そもそも、ある労働について「自主的」に行ったかどうかを判断するのは、本来労働者であるはずです。使用者の都合によって「自主的」に行ったかどうかが判断される以上、その労働は使用者によって「強制」されたものといわざるを得ないのでしょうか。いわば、教員の労働は『自主的という名の強制労働』に当たるのではないかというのが私の考えです。
このような労働が実際に存在する現状を容認するような判断は、国際社会では到底通用しないことでしょう。教員の時間外勤務は「自主的労働」か「強制労働」か。本控訴審が、日本のみならず世界中から注目される裁判になることを望んでいます。裁判所においては、国際社会に誇れるような、公平・公正な判断を心から望む次第です。
田中まさおは、学校教員の長時間労働抑制のため、法に基づいた働き方をしていくことができるよう、訴訟を通じて尽力していきたいと考えています。引き続きのご支援・応援をいただけますことを願っております。宜しくお願い申し上げます。
2021年(令和3年)12月12日 埼玉超勤訴訟 田中まさお(仮名)