小学校教員・田中まさおと申します
埼玉県で小学校教員をしております、田中まさお(仮名)と申します。
これまで38年間、6つの学校で勤務してきました。平成31年末には定年退職となります。
定年退職を前に、これまで自分が経験してきた不合理なことを次世代を担う若い人たちに引き継いではいけないと思い、長時間労働是正のため訴訟を起こしました。
教員の置かれている労働環境
厚生労働省が公表した2018年版の過労死等防止対策白書によると、全国の小中高で働く教職員の1日の平均勤務時間は全体で11時間を超えるとされています。
また、文部科学省が公表している人事行政状況調査によると、うつなどの精神疾患で休職した公立学校の教員数は全国で五千人前後で高止まりする状況が続いています。
過労死にいたっては、文部科学省が把握しているだけでも2006年からの10年間で63人もの学校教員が命を落としています。
人材不足も深刻です。ある自治体では代替教員が見つからず1か月授業が行えなかった学校も出てきているようです。全国各地の教員採用試験の倍率低下もとまりません。
長時間労働に歯止めを
私は裁判を通じて、壊れつつある教育現場の実態を広く多くの方に知っていただきたいと考えています。
これまでの教員生活で、体を壊し心も病んで辞めていくたくさんの同僚を見てきました。仕事を優先し、出産を諦めた女性教員もいました。
『働かせ放題』の現状が、教員に子育てさえ許さないような悪夢を生んだのです。いくら働かせても残業代を出さなくてもいいシステムなら、仕事が増えていくのは当たり前です。
私は今、どうにかして自分たちの世代で長時間労働に歯止めをかけなければならないという使命感に突き動かされています。
そして、教員をはじめ一人でも多くの国民にこの問題について、ともに考えてほしいと願っております。
2018.12.14.埼玉県小学校教員・田中まさお