現在、埼玉県教育委員会に対し長時間労働の是正を訴えるため超過勤務訴訟を起こしている、小学校教員・田中まさおです。
今日は、「授業準備の時間を与えられていないのにその授業を評価されるおかしさ」について書きます。
事務仕事が可能な時間は1日35分間しかない
私が勤務する埼玉県では、人事評価制度を導入しており、校長は教員の授業を見て、評価することが義務づけられています。
そして、その評価により、教員の給与が決まります。
そのような重要な評価にもかかわらず、私の勤務校ではその評価のもとになる授業の準備時間は確保されていません。(他の多くの学校でも同様ではないでしょうか。)
私の勤務校では、勤務時間内には1日35分間しか事務仕事をできる時間はありません。
〜16:00 児童の下校指導終了
16:00~16:20(20分間)事務仕事が可能な時間 16:20~16:45 休憩時間 16:45~17:00(15分間)事務仕事が可能な時間 17:00 勤務終了時刻 |
※私の裁判では埼玉県は児童の在校時間にも事務仕事は十分可能だと答弁してきていますが、ここで表した時間はそれは不可能であるという私の主張をもとにしています。
計、35分間です。
しかも、この35分間はあまり存在しない会議がない日でかつ保護者からの電話などの突発的な仕事が入らない条件下における時間です。
時間を与えられていないのに評価を下されるのはおかしい
言うまでもなく、授業の準備以外にも校務分掌や学級事務など教員の仕事は他にもたくさんあります。
つまり、実質的にこの35分間において、1日6時間の授業の準備を行うことは不可能です。
よって、学校における教員の評価は、「勤務時間外に行う仕事」をもとに校長により評価を下されている、ということです。
仕事を行う時間を与えられないのに評価を下されるという、このようなことが平気でまかり通っている学校の常識(校長のマネジメントの怠慢)に対し、『おかしい』ということが私の裁判の目的の一つでもあります。