現在、埼玉県教育委員会に対し長時間労働の是正を訴えるため超過勤務訴訟を起こしている、小学校教員・田中まさおです。
今日は、「学校現場に届いていない働き方改革の現状」について書きます。
勤務開始前の登校指導について発言したが・・・
裁判を起こすと決めたとき、勤務校でも時間外労働に関することは言った方がいいと思いました。そこで、勤務校で例年行われていた勤務時間前の登校指導について、職員会議で発言しました。2018(平成30)年度最初の職員会議です。
「勤務開始前の登校指導をやめてほしい」と提案しました。
本来は午前8時半からが正規の勤務時間なのに、7時半に学校へ来て、持ち場の交差点まで10分かけて歩いて旗を振る、これは超勤4項目には該当しない無賃の時間外勤務ではないかと。
ちょうどその頃、文科省から働き方改革の緊急対策が出され、登校指導は『学校以外が担うべき業務』と明示されたときでした。
しかし、校長からは「今まで通りでお願いします」と簡単にあしらわれました。学校は前年踏襲が原則で、保護者やPTAとの関係等もあるのか、校長としてはこれまでやってきたことを変えるわけにはいかないようでした。
そこで私はさらに、「登校指導のある日は1時間早く帰らせてほしい」と譲歩して提案もしましたが、それも却下されました。
また、登校指導以外の業務についても、学校現場では(少なくとも私の勤務校では)緊急対策を受けての業務の見直しは行われませんでした。
文科省やマスコミの報道、SNSなどでは盛んに議論され始めた教員の働き方改革ですが、学校現場にはまだまだ届いていないというのが私の個人的な感想です。