現在、埼玉県教育委員会に対し長時間労働の是正を訴えるため超過勤務訴訟を起こしている、小学校教員・田中まさおです。
今日は、先日の第5回裁判で私が主張した、「給食時間中に他の事務作業はできない」ことについて書きます。
埼玉県の答弁
埼玉県教委は、第1回裁判で、教員の仕事は勤務時間内で十分に収まるものであり、『給食指導中においても事務作業をすることが可能』と主張しています。
給食指導や清掃指導が不可欠な事は確かであるが、給食や清掃の作業は高学年になるにしたがって児童に任せられる部分が多くなり、時間中、常に児童に対する指導業務に従事する必要がなくなる。教員自身が給食を食べ終わった後、児童の様子を時々観察しながら、事務作業をすることも可能であり、実際に行っている教員もいる。(第1回裁判答弁)
私の主張
この埼玉県の主張に対し、先日の第5回裁判で私はそれは不可能であると反論しました。
なぜなら、「給食指導」のやり方は、校長が主宰する職員会議において、以下に述べるように非常に細かいルールが定められており、教員にはかかるルールを遵守し児童を指導することが命じられており、他の事務作業を行う余地などないからです。
命じられている給食指導のやり方
①給食配膳中は児童に無言で配膳させなければならない。
②給食は、配膳室から教室前の廊下まで、教員がワゴンを運ぶことになっている。さらに、熱い食缶は、児童には運ばせず、教員が配膳台の上に置くことになっている。
③アレルギー児童がいる場合には、除去食の配慮が担任教員の仕事である。除去食カードをチェックし、配膳をチェックし、カードを提出する必要がある。除去食対応は、少しの間違えも許されない、非常に責任の重い仕事である。
④給食の残菜についても、児童による残菜をできる限りなくすことが、校長からは求められている。校長は、給食室から毎日、残菜量の報告を受けているため、教員は、残菜をなくすことにも神経を注がなければならない。
⑤担任は、給食当番確認表のチェックも行う必要がある。担任は、毎日、給食着のチェック、手洗いのチェック、爪のチェック、病気のチェック等を行い、チェック後に担任印を押している。この確認表は、月末に学校に提出する必要があるため、チェックを怠ることは許されない。
⑥さらに、給食の片づけ方についても非常に細かいルールが決められており、教員は、食後の片づけ指導と片付けチェックを行う必要がある。担任は、食器の返し方、牛乳パックの折り方・ビニール袋への入れ方、ストローの返し方、ジャム袋・アルミホイル類・残菜等の処理の仕方等をその都度指導して、児童の片づけを毎日チェックする必要がある。
⑦そして、全てのチェックを終えた後は、担任自ら、配膳室まで給食のワゴンを運ばなければならない。
給食時間中に事務作業をすることは不可能
このように、給食時間中の給食指導は、校長によって命じられていた業務であり、「給食指導」の業務に集中しなければなりません。給食時間中に事務作業をすることは、不可能です。
詳しくは、第5回裁判資料に私の主張の全文があります。お読みいただき、SNS等で話題にしていただければ幸いです。
中学校の担任をしています。私も給食指導をしていますが食缶をはこんだりテーブルをふいたり生徒に盛り付けや配膳を促したり、家でもしないようなことを昼休みに押し付けられています。飲み終わった牛乳パックを数えて折りたたんで10個ずつにしろと命令されています。事務作業なんかする暇なんてありません。本当なら給食なんて食べたくありません。休憩させてください。その分の払ってもいいです。今の学校終わっています。必要な残業をきちんと認めて下さい。必要な休みをきちんと与えて下さい。法律を守ってください。みんな、そんなにボランティアばかりしたくありません。私も絶対に諦めない。
中学校教員です。給食の準備が、平和にできる学級の方が少ないです。給食準備は、当番の指導だけでなく、それ以外の生徒指導も発生する。落ち着かない学年だとからかいやケンカが発生する時間帯である。今でも、教室は担任。廊下は、副任+学年主任で見守りながら準備をしています。
そんな中、事務処理が可能であるって、そんな優秀な子どもに出会ったことはない。
私の学校では、12:00から45分間が給食の時間です。
12:00~12:15 給食当番、アレルギー、配膳のチェック等
12:15~12:20 残菜の処理 声かけ等
12:20~12:30 食事の時間
12:30~12:45 片付け指導
どこに事務作業の時間があるのか。給食もかきこむようにして食べている。健康とは言えない。
牛乳パックを給食時間中に水洗い、手で切り開いて古紙のリサイクルにしようと東京都が区市町村に指示。授業時数を確保すること、際限なく増加した学習内容を消化するための教材の検討に授業の準備で、勤務時間外労働を強いられている中、行政の責任放棄による牛乳パックのリサイクルのための処理を児童生徒に押しつける。子供たちから、食事の時間を奪い、教員の負担を強いる。学校教育への行政の介入をやめさせないと、学校の主体性が失われ、ロボット工場のような学校になってしまう。